数年使ってみてわかったが、こいつは自分にとって非常に優れたストーブ(クッカー)だった。使って楽しいとか趣が・・・とか、そんなものは無いが、道具としてとにかく期待を裏切らない。

はじめのころは単に使いやすいとしか思っていなかったのだが、使えば使うほど非常に合理的なストーブだった。ガスストーブを液出しで使うと火力は低いが、そんな火力でも不満を感じさせず、減ったガスでもそれなり湯沸かしできて、風があっても他のストーブよりはずっと湯沸かししやすい。この風防の存在はかなり重要だった。普通のストーブなら、風防は別途用意すれば良いのだが、この風防はパッキング時には、ヒートエクスチェンジャーの保護も兼ねていて、HELIOSやPackliteのようにパッキングの為だけに余計な蓋を付ける必要がない。1.7Lの鍋をスタックできる。

EtaPower EF(非Trail)は蓋がフライパンになっている。他の多くの高効率鍋がコーティング無なのに対し、こいつは非常に丈夫なコーティング付きで、焦げ付きも少ない。その割には、同種のものより安価。たとえ18000円であっても、ライバル的なものと比べれば比較的安価だと思う。
似たようなものとして、ストームクッカーLや、Esbit アルミクックセット アルコールバーナー付き(CS2350HA)をガスで使ったりもする。使い勝手も重さも、どれもだいたい似ている。

長所、短所は
EtapowerEF Trail(国内版)
はじめからガスのセット。非常に背が低くテント内で使いやすい。風には意外に強い。鍋1個だけで、そのままでは使いにくい。専用鍋しか使えないことになっているが、風防外せば特に問題無く他の鍋でも使える。風防外せば当然風には弱くなる。アルコールバーナーは使えない。

ストームクッカーL
名前の通り風に強い。鍋2個とフライパンのセットになっている。短所は国内販売品は鍋に焦げ付き防止コーティングが無い。鍋に蓋が無く、フライパンを持たないという選択がしにくい。ガスバーナーが国内正規流通していない。背が高く、触りやすい場所が熱くなる。風が吹くと熱風が吹きあげてくることがあり、手が熱いことがある。使える鍋の直径に制限がある。アルコールでは火力調整や消火が難しい。

CS2350HA
この3機種で比較すれば一番風に弱いが、風には比較的強い。鍋2個とフライパンのセット。鍋蓋も付属しているのでフライパンを省いたりしやすい。鍋もフライパンも焦げ付き防止されているが、現在国内で販売されているCS2350WNは鍋がコーティング無し。載せ替えるだけでフライパンが使用可能。使用可能なクッカーは、直径がかなり大きなものに限られる。鍋容量に対して、収納サイズが比較的小さい。純正のガスバーナーは存在しないので、トランギアと、その互換品を流用することになる。ただし、ガスバーナー用の穴ははじめから用意されている。アルコールでは火力調整や消火が難しいが、ストームクッカーと比べるとだいぶマシ。

オマケ CW-C05
ストームクッカーLの中華劣化コピー版のようなものだが、ストームクッカーの耐風性を犠牲にして、使い勝手を改善したものと考えた方が良い。アルコールで使う場合は特に、風の影響や、フライパンの焦げ付き防止有無を除けば、ストームクッカーより使いやすい。鍋が載った状態でも炎が見え、火力調整や、点火消火がしやすい。アルコールバーナーでも鍋が乗ったまま火力調整も消火も可能という、普通に考えてできて当然だろうと思える使い方ができる。耐風性は、それほど悪いわけではなく、ガスの火力があれば、それほど困らないレベル。ただし、比べれば上の3機種よりはだいぶ劣る。鍋2個とフライパンに加え、鍋蓋が1つ付く。すべて焦げ付き防止コーティング無し。ただし、安いし、HAなので、焦げてもガシガシ洗いやすい。価格も上の3機種と比べると異様に安いので、バランス良く、かなり使いやすいバカにできないクッカーになっている。
意外に一番使いやすいのはCS2350HAだったりする。はじめから鍋が2つとフライパンが付いてくることに加え、鍋蓋とフライパンの両方付いてくる。不要ならどちらか置いて行けば良い。収納時、一番外側に来るのが鍋で、鍋容量の割に収納サイズが小さい。Etapowerのように、フライパン使用時に風防外す必要もない。小鍋が乗らないが、これらのクッカーを持つ時はサブのストーブも持っているので問題ない。
 
PRIMUS EtaPower EF(2006年発売)




ストーブにはプレヒートパイプ付き。
高効率鍋+風防+専用ストーブ
大きさ、見た目は異なるものの仕組み的にはジェットボイル(PCS)と似たようなもの。ストーブと風防、下面にヒートシンクが付いた専用クッカーを組み合わせた、超高効率ストーブ。ジェットボイルの大型版HELIOSとはそれこそ兄弟みたいなもの。

230gの燃料で19Lの湯を沸かせるらしい。
高効率ストーブには前から興味はあったのだが、専用鍋というところに引っ掛かっていた。私は行動中はあまりしっかり洗わない(手抜きとか環境に配慮して)ので、鍋が専用じゃ料理作った後、コーヒーも飲めん・・・とか思っていたのだ(実際には、専用以外の鍋も乗るが、日本語版の取り説では、専用鍋しか使えないことになっている)。・・・が、真面目に食事作るつもりが無い時は、基本的には湯だけわかせればかまわない。本体が少々重くても、予備のガス缶(230g缶で総重量375g程度)減らせた方が効率的だなと思って買ってみた。

どうせ湯沸かしだけしか使わないなら、軽くて小さいジェットボイル(PCS)の方が・・・と思う部分もあるが、湯しかない=湯だけで食えるものを食う。レトルトの米だったり、カップラーメンだったり。そのときに、1LのJETBOILでは2人分のカップラーメンが一度に作れない(と言うか、実際は一度に沸かせるのは500ccくらいらしい)。他にも理由はいろいろあるのだが、とにかくそれが一番大きい。
JETBOIL PCSは持ってる物の、重さの割に使い難いのであまり使わなかったのだが、EtaPowerはかなり大きいものの、それ以上に使い勝手が良い。

JETBOIL PCSは、風に異様に弱い(風の有無で湯沸かし時間に大きな差が出る)。ガスだから仕方ないのかと思っていたが、EtaPowerはもちろん、EtaExpressでも、少々の風で大きな影響は受けなかった。
ジェットボイル(PCS)
JETBOIL HELIOS
Etaシリーズは鍋底にヒートエクスチェンジャーと言う熱効率を上げる為のヒートシンクのようなものが付いた鍋をセットにしたもの。
ジェットボイル(PCS)ほどセットで練った感じではないが、廉価で性能が高いので、個人的にはお気に入りだ。既存の普通のストーブに高効率鍋と半端な風防をセットにしただけのEtaExpressがJETBOIL PCSより圧倒的に使いやすくて性能も高かったりする。どうせ使い方は決まってるのだから、汎用性より、専用で作った方がと思うのだが、JETBOILは汎用性以前に使いにくかった。
1800kcal 724g(実測800gくらい。ハンドル45gとケース16gを除いた重さが724g)
燃料100gあたり10.78Lの湯を沸かすことができる。スペック的にはHELIOSとほぼ同等で若干EFトレイルの方が燃費が良い。
2Lの鍋込みの重さなのでけっこう重い。火力は1800kcalと控え目だが、効率が良いので問題にはならない。1Lの水を2.5分で沸騰させることができることになっている。十分大きなヒートパイプ付きで、寒くても安心。

安定性が高い
JETBOIL PCSのように、ちょっと風が吹くとすぐに沸騰時間倍増なんてことがなく安定している。プレヒートパイプ付きの分離型なので当然ながら寒さに対してもガスストーブとしては強い。

沸騰が早い
驚くほど速い。最大にしなくてもすぐに湧いてしまう。大人数で湯量が多めに必要な時に特にありがたい。ただし、実際に時間計るとガソリンと大差無かったりする。

夜でも火力調整やりにくい
昼間は炎が見えないので火力がわかりにくいが、夜間でも炎が見えず、火力調整が難しい。音で大雑把にはわかるが、弱火はわかりにくい。

沸騰が早い上に、風が有っても弱火OK
ガソリンだと、そこそこ沸騰が速くて風が有ってもOKなのだが、弱火は駄目。ガスは弱火は得意だが、(湯が必要な時期には)火力が低く、風に弱い。EFトレイルだと、特に何も考えなくても便利に使える。凄い。ガスが減れば火力は下がるが、液出しだとガス出しよりは火力低下が少ない。

使い勝手と重量のバランスが良い。サイズはかさばる。
鍋、風防込みとは言え、チタンの鍋とストーブ合わせた重量の2倍程度の724gとかなりの重さ。2.1Lの大鍋は一度に1.5L程度の湯が沸かせる。1.5Lもあるとけっこう時間がかかるが、少々風が有ってもすぐに湧くのはありがたい。使い勝手が良いので重さは気にならないが、普通の2.6L鍋よりも大きいサイズはちょっと困る。

テント内で使いやすい?
熱効率自体は通常のストーブ+コッヘルの2倍程度だそうだが、風防の効果で風があるときはさらに2倍くらいの差は出そうな気がする。無駄に熱が逃げないので、敷物さえあればテント内でも比較的安心して使えそう。思いっきりテント内使用禁止と書かれているけど、テント内で使う必要が出ることだってあるだろ・・・と思う。

ちなみに、鍋無しで点火すると、火はほとんど真上に高く上がる。バーナー自体はMFMM垂直バーナーなので真上に上がるのだが、ヒートシンク付きの鍋に合わせてヒートシンクを狙って広がるものだと思ってたので意外に感じた。結局のところ、ヒートシンクが外周にあるので、これでバランスが取れるってことなのだろう。

廉価なガスでも寒さに強い
JETBOILが高価なUガスに近いガスを使用しても寒冷地にはあまり強くないのに対し、EFトレイルは夏用のGガスでもそれなりに使える。液燃のHeliosとバーナーがほぼ同一のもので、液燃としても使えるので、ある程度の寒冷地でも使える。非常に使い勝手が良い。
EtaPowerが凄いと言うよりは、JETBOIL PCSが何故あんなに寒さに弱いのかがよくわからない。
専用鍋は3サイズ
国内版のEtaPower EF TRAILには2.1L鍋が付属し、他の鍋は使用禁止とか書かれているが、日本版以外にはそんな制限は無く、鍋も1.7L、2.1L、2.9Lが存在する。2.9Lは不明だが、1.7Lと2.1Lは重ねて収納できる。鍋一個では不便なので1.7Lも別売りしてくれれば良いのだが・・・
専用鍋の重さ 1.7L 220g、2.1L 265g、2.9L 310g
私はわざわざ海外通販で1.7L鍋を入手した。2.1L+1.7L鍋は非常に使い勝手が良い。

ライテックの1.7Lとのスタックは可能なので、ライテック買って組み合わせても良い。個人的には、鍋1個というのは猛烈に使いにくいように思う。
元は軽量ストーブセット
沸騰時間が速いことが売りではなく、環境にやさしいことが売りでもなく、基本的にはトータル重量の軽量化が売りらしい。もともとガス機器はストーブ本体の重量なんてほとんど気にするようなレベルではなく、重さのほとんどはガス缶だ。ガス缶何個も持つよりも、EtaPowerでガス缶減らした方が軽い。比較資料も出ていて、JETBOIL PCSより軽いことになっている。実際、それも十分あり得るとは思うが、トータル重量が他のストーブより軽くなるのは、数日以上の行程で、土日で泊まりがけで出かけても、その恩恵を受けることはできない。
それはともかく、コンセプトとしては、トータルで軽い装備。沸騰時間優先で大きなものを作ったわけではないようだ。
専用2.1L鍋買ってきて、ふつうに家で料理に使っている。そのまま使うと、普通の鍋よりもバーナーから距離が有り隙間が大きいので一酸化炭素の発生は特に心配しなくて良いのではないかと思っている。どうせ使うときは換気するし。湯が沸くのが速くて便利(取っ手が固定されていない点は不評だが、普通に使っている)。


EtaPowerの種類 価格  
EtaPower EF Trail(日本版)
定価18900円

実売価格14170円程度(2009/1)

17010円程度(2009/10)
鍋 2.1L鍋
鍋蓋 ただの蓋
収納袋 初期出荷限定版以外はメッシュ袋。

日本向けは小さい方が受けるので、1.7Lの方が売れそうだが、中途半端に1.7L鍋セットの海外版EF Trailよりは2.1Lの方がマシだと思う。
Etapowerは風防が嵩張るので、風防が同じであれば、1.7L鍋付けてもパッキングサイズはあまり変わらず、2.1L鍋と2.1L用の風防が効果が大きい。重さは少し軽くなるが、容量が減った分利便性が損なわれる。米国版の1.7L鍋セットよりも国内版の2.1L鍋のセットの方が良いと思う。

私が買った当時は25%引きの14170円で売ってる店がけっこう有ったが、2009/10に調べてみたら17010円になっていた。
EtaPower EF Trai(米国版)

日本版と比較すると鍋が小さいのがわかる。
定価 $110 鍋 1.7L鍋
鍋蓋 ただの蓋
収納袋 初期出荷限定版以外はメッシュ袋。

1.7L鍋がセットで、鍋蓋はただの蓋。袋はメッシュ袋。
ただのEFよりも売ってる店が少ない。
EtaPower EF(米国版)
定価 $125
Amazon.com見ると、こんな値段で売ってる。3800円くらい。だが、日本には送ってくれない。$65くらいからどんどん下がって$39.95になっていた。
鍋 2.1L鍋
鍋蓋 フライパン兼用
収納袋 インシュレーションバッグ。
2.1L鍋がセットで、鍋蓋はフライパンになっている。ネオプレーンの専用ケース(日本では別売り3255円)付き。定価は$125だが、amazon.comで見ると$40程。日本円で3800円くらい。そんな値段なら是非とも何個か欲しいぜ!と思っても、amazonは日本にストーブ送ってくれない。小さな安売り店も日本には送ってくれないことが多いので、もうちょっと高く買うことになってしまう。
フライパンは微妙で、取っ手が無い。そのため、蓋として使うときは内側を上にする。蓋をとるのにわざわざハンドルを使うのはめんどくさいことに加え、ハンドル忘れても鍋はあまり困らず使えるのに、蓋の開け閉めにはちょっと困る。
※当時普通に売ってる価格が$74くらいだったのだが、しばらくしたら安売りは終わってしまった。2009/10現在$74を付けているショップはほとんど無い。
EtaPower MF(米国版)
定価 $190 液燃対応のMF。価格設定がかなり高め。鍋の無いストーブ単体でもEFとMFでたいした価格差は無いのに、このストーブはなんと$65もの価格差がある。ストーブ本体がどんなものなのか見てみたいのでちょっと欲しいのだが、おそらくほとんど火力調整ができ無さそうな液燃と高効率鍋の相性は悪そうなので買っていない。
日本版も14170円+15%ポイントくらいで買ったので、送料込みで12000円相当くらいで安いと思ったが、フライパンとケースの付いた英語版はその半額くらいだったので、狂気の域に達しているように感じた。個人的にはフライパンはあまり使わないが、鍋が1つしかないよりは、プライパンが有った方がまだ便利だ。

米国価格は通常状態に。国内は何故か高騰
2008年冬くらいには普通に$74、安いと半額の$62くらいで売られていた(ただし、日本に送ってくれる店は少ない)。2009年春ごろは$55、酷いときには$40を切っていたほどだったが、今見ると普通の価格に戻っていた。米国価格はともかくとして、国内は1ドル120円の頃に14000円で売られていたのに、1ドル90円の時代に17000円なので、猛烈に上がったように感じる。

液出しで使ってみる

左:JETBOIL HELIOS  右:EtaPower EF Trail(日本版)
     
このバーナーに脚を付けただけ(に見える)ストーブが2010年6月にP-133Sとして発売された。鍋が不要なら、それを買えば良い。

実は液出し機と同じバーナー?
EtaPowerのライバルには海外版JETBOIL HELIOSがあるが、EtaPower EFとHELIOSは、分離型の高効率ストーブという外から見た性格だけでなく、ストーブ本体が同じものに見える。海外版HELIOSは液出しストーブだ。

さらに、本家PRIMUSでは、液体燃料にも対応したEtaPower MFも売っているくらいなので、事実上液燃として使用可能だと考えている。

EtaPower EFのEFはEasy Fuelの略でプリムスルールではガス専用の機器にEFと付ける。VFだとガソリン&灯油対応、MFになるとガスとガソリン&灯油になる。EtaPowerにもMFが存在し、日本では売られていないが、海外では発売されている。EFとVF、MFが存在する機種の場合、EFにも気体のガスを燃やすために付けてるとは考えにくいような立派なプレヒートパイプが付いている。EtaPower MFのバーナーは見たことが無いので、もしかしたらEFとは違うものが付いてるかもしれないが、プリムスの他の機器ではEFとMFのストーブは同じものだ。EtaPowerのバーナーも巨大なプレヒートパイプ付きで、普通に液燃ができそうに見える。

むしろ、ホワイトガソリン専用機の細くて弱そうなものより、よっぽど強力そうなプレヒートパイプに見える。ジェット換えれば灯油でも行けるかも。外では、燃料の接続が変わるだけで、液燃のみ、ガス缶、液燃両用、ガス缶のみの3タイプが出ることが多い。

-1℃くらいで1Lを4分ほどで沸かせた。白いのは雪。岩陰であまり雪のないところだった。
日本語版の取り説では、わざわざちゃんと取り説で禁止してあるが、HELIOSと同じストーブに見えるので、技術的には普通に液出し可能なのだと思う。

国内版の取り説は技術的な面では参考にならないので、外国版を読んでみると禁止とは書いてないが、やって良いとも書いてない。寒い時には、ガスを温めたり湯につけて良いことになっている。国内版にはその記載が無いので、日本版の取り説そのまま使うとあまり寒いところには使えない。

プリムスは昔の機種で分厚い取り説を付けていた機種では、液出しでの使用方法が書かれていた。液出し対応なんてどこにも書かれていないのに、取り説には普通にやりかたが書いてあった・・・ので、寒いところでは割とメジャーな使い方なのではないかと思った。
このストーブで液体燃料を燃やすことは可能だと思うのだが、取扱いには注意が必要だ。アウトドア用ガス缶の内容物は常温で液体だったりするほど沸点が高いが、些細なことですぐに気化するので、危険性が高い。

火種が有っても一定の濃度の範囲内でしか燃えないので、気体は拡散が速く屋外でなら、漏れたガスに点火する可能性はほとんど無いが、液体で噴出した液ガスは、沸点の高いノルマルブタンでさえも-70℃でも点火可能で、火種さえあればいつでも引火する可能性があり猛烈に危険性が高い。ガソリンも-40℃で点火可能で揮発性が高く危険だと言われるが、ガスはそれを超える危険性を持つ。

取り扱いの面で危険なのが、体温で沸騰してしまうところ。気温が低く、気化が進まない状態で、安定して液体である状態でも、一瞬でも素手でガス缶掴むと瞬時に沸騰、内圧が上がり、液ガスの噴出速度が加速してしまう。とにかく不安定なのだ。倒立するときに手で掴むと、その瞬間を狙って沸騰、液ガスが噴出する。

また、液燃のときは火力調整があまり効かず、操作から反応までの時間がかなり長いので、消そうと思ってもすぐには消えないので注意が必要。

なお、ここでの内容は、危険性とかは別として、単純に、技術的には可能であったという報告であり、やるなら危険性を理解した上で自己責任でどうぞ

液出し=液燃ストーブとして使う・・・なので、プレヒートが必要。プレヒートパイプが暖まった状態で有れば液ガスでも不安定にはならないので、温めてやれば良い。ガスストーブの場合は正立であれば冷えてても普通に燃えるので以下のような手順になる。

比較的安全性の高い液出しのやり方
 @まずは正立で普通に点火する
  寒冷地用のガスなら普通に燃えるはず。正立でプロパン使いきってる状態などで、ローソク状態だったら、ガス缶を掌で暖めるなどして一時的にでもある程度の火力で燃やす。
 Aストーブ本体が過熱したらガス缶を低い位置で静かにひっくり返す。
  ストーブより低い位置にしないと、液ガスが噴出する可能性あり。

 液燃のように分単位でプレヒートする必要は無いので、火力が有れば10秒くらいでも行ける。火力が低くても30秒もやってれば十分なことが多い。
ガス専用機のプレヒートパイプは、寒くてもしっかりガスが気化するように付いている。分離型の場合特に、ガス缶からガスは出るがストーブ本体に到着する前に液化してしまうことがあり、燃焼が不安定になりやすいのでヒートパイプ付けてるのだとは思うが、同じストーブ使ってるHELIOSが液出しで売ってるんだから、EtaPowerにできないわけがない(ジェットは変えてあるかもしれないが)。
   


ストーブ単体使用
ストーブ本体と、スタンドの合計重量。ともに270g程度と、液出しで使用可能なストーブとしては並みの重さ。HELIOSもEtaPower EFも、この状態で普通の分離型ガスストーブとして使用可能。なので、重いから使い道が無いということはない。ただし、ある程度大きな鍋しかゴトクに乗らない。

EtaPower EFの方は下が石だらけのとき安定しにくいのだが、重心が低いのであまり問題が無い。


沸騰時間
寒い時にこそ湯が速く欲しい
性能測定のために都合が良いので沸騰時間を計測するが、実際のところ、沸騰時間が速いか遅いかは、ある一定以上の速さではあまり意味が無くなると思う。気温20℃以上で1分で湯が沸くストーブが有っても、実用上のメリットがあまり無い。20℃以上あるなら5分以内に沸けばそれ以上速くてもあまりメリットを感じないし、10分以内に沸けばさほど不便は無い。遅いよりは早い方が便利だが、そもそも、湯無しで行動が可能なので、無くても問題無いものが速いか遅いかの話でしかない。
冬は短時間で沸くと嬉しい。10分で駄目ということも無いが、15分以上になると厳しい。寒い時には立ち止まると体が冷える。湯を沸かすために長時間立ち止まるのは不都合がある。寒くて暖をとろうとストーブ使って待たされるので、非常に厳しい。

多くのガス機器は、夏はどうでも良いような時間で湯が沸くが、冬にはまともに使えるのは寒冷地用ガスのプロパンが消費されるまでの間だけで、残る大半のブタンやイソブタンガスでは湯沸かし不能だったり、実用上問題外の時間になってしまうことが多い。冬は暖をとるためにも湯は必要。寒い時に凍ったものは食べたくないし、そもそも、0℃以下では液体の水の入手が難しい。気温が高い時の沸騰時間なんて、寒い時に使えることと比べたら屁にもならない些細なレベルの話でしか無い。

高効率ストーブは元々効率が高いことに加え、燃料消費が少ないため、ガスの気化熱によるパワーダウンが少なく湯が沸きやすい。
液出し+高効率鍋で冬に速く湯が沸くEtaPowerEFはかなり便利なストーブだと思う。取り説では液出し禁止されているので、取り説に従って使う人にとっては特にメリットは無いかもしれない。